これも結構ハマったのでメモ。Staticである理由は特に無いのだが、個人的にはこっちのほうが好き。(ライセンスによってはDynamic利用だけフリーとかが結構あるので注意。)
まずはgithubから最新のコードを取得。
https://github.com/behdad/harfbuzz
僕の開発環境はVisualStudioがメインなので、いろいろコンパイルを試みるが、エラーだらけでどうにもならない。ファイルを色々読んでみたらどうやらmakeして生成するヘッダが存在してる。ならばMACでやることにする・・・。
ドキュメントに従ってターミナルでやってみる・・・。
pkg-config と ragelが必要らしい。これはyumとかmacportsで入れとけばいい。
configureするときにfreetypeオプションをつけるとhb-ht関連が含まれるようだ。その場合freetypeも事前に入れとく。–enable-staticを指定すれStaticで作れる。
$ ./autogen.sh
$ ./configure --with-freetype=yes --with-glib=no --enable-static CXXFLAGS="-arch i386 -arch x86_64" CFLAGS="-arch i386 -arch x86_64" LDFLAGS="-arch i386 -arch x86_64"
$ ./make
少しこの辺りの補足を。XCodeではOSX Deployment targetでビルドアーキテクチャが選択されているようだがopenframeworksのデフォルトターゲットは10.6(i386)となっている。marvericksで指定する場合はx86_64となるが、今のところこの設定では一部でエラーが出る。こういったアーキテクチャの差異に対応すべくstaticライブラリはuniversal化しておく必要がある。./configureのオプションでFLAGS=”-arch i386 -arch x86_64″とするだけでuniversalライブラリを生成することができるようだ。依存するfreetypeなどもuniversalで用意しておく必要がある。出力されたものをfileコマンドで確認すると下記の通り。i386、x86_64が構成されていることが分かる。
$ file *.a
libharfbuzz.a: Mach-O universal binary with 2 architectures
libharfbuzz.a (for architecture i386): current ar archive random library
libharfbuzz.a (for architecture x86_64): current ar archive random library
make intallはしなくてもいい。makeした時点で src/.libsにharfbuzz.aが生成されている。macの方はこれを使う。ヘッダは下記がコピーされるのでincludeディレクトリに入れておく。
hb-blob.h, hb-face.h, hb-ot-layout.h, hb-shape-plan.h, hb.h,
hb-buffer.h, hb-font.h, hb-ot-tag.h hb-shape.h,
hb-common.h, hb-ft.h, hb-ot.h, hb-unicode.h,
hb-deprecated.h, hb-glib.h, hb-set.h, hb-version.h
次はWindowsへ移動。
macでmakeしたのでいろいろソースが書き換えられていて、vsでもコンパイルが通る。余談だが、ライブラリをビルドするVisualStudioのバージョンは高い方が良いようだ。下位バージョンでビルドしたライブラリを新しいバージョンで使うことはできないが、その逆、上位バージョンでビルドした場合は下位のVisualStudioで利用可能になってそう。(確かな情報ではなく、僕の経験した範囲では。Dynamicも事情は違ってそう)よって最近はライブラリのコンパイルを行う場合はVisualStudio2013を利用している。
話をもどして、VisualStudio2013でコンパイル手順。
まずは Win32プロジェクト-スタティックライブラリで新しいプロジェクトを作成する。SDLチェックオプションを有効にするとエラーになる部分が2箇所あるのでこのチェックは外しておく。プログラム全体の最適化を有効(/GL)にしている場合vs2010の時は利用側で警告がでていた。2012以降は出てないのでデフォルト(有効)で良さそう。
追加するソースについては、必要機能で良い。今回はこんな構成。glib,icu,test関連を省いている。(必要な場合は依存を解消してコンパイルすれば良い。)
ソースフォルダと、ビルドしてエラー表示された部分にパスを通しておく。
コンパイルオプションについては、重要なポイントとしてプリプロセッサの定義が要る。
HAVE_OT
HAVE_UNISCRIBE
指定した機能を有効にしてコンパイルされる。
諸々調整を行い、うまく行けば libharfbuzz.libが作成される。(デバッグはlibharfbuzzd.libとする)
これを現在作成中のTypographyのライブラリに追加してみる。
そしたら、下記のエラーが。UNISCRIBEを追加したため、関連するDLLの読み込みが発生しているようだ。
エラー 6 error LNK2001: 外部シンボル "_ScriptShape@40" は未解決です。 D:\Dropbox\project files\openframeworks\addons\ofxTrueTypeFontUL2\example\libharfbuzz.lib(hb-uniscribe.obj) emptyExample
エラー 5 error LNK2001: 外部シンボル "_ScriptPlace@36" は未解決です。 D:\Dropbox\project files\openframeworks\addons\ofxTrueTypeFontUL2\example\libharfbuzz.lib(hb-uniscribe.obj) emptyExample
エラー 8 error LNK2001: 外部シンボル "_ScriptItemize@28" は未解決です。 D:\Dropbox\project files\openframeworks\addons\ofxTrueTypeFontUL2\example\libharfbuzz.lib(hb-uniscribe.obj) emptyExample
エラー 7 error LNK2001: 外部シンボル "_ScriptFreeCache@4" は未解決です。 D:\Dropbox\project files\openframeworks\addons\ofxTrueTypeFontUL2\example\libharfbuzz.lib(hb-uniscribe.obj) emptyExample
エラー 9 error LNK2001: 外部シンボル "__imp__UuidCreate@4" は未解決です。 D:\Dropbox\project files\openframeworks\addons\ofxTrueTypeFontUL2\example\libharfbuzz.lib(hb-uniscribe.obj) emptyExample
Rpcrt4.lib;usp10.lib;をリンクする必要があるらしい。
この場合こちらのプロジェクトの設定でリンクしてもいいのだが、libでやってしまうのがスマート。やり方は、ライブラリアンの追加の依存ファイルでlibを指定する。利用する側はほんの少し(笑)楽になる。
以上が今回やったライブラリの作成手順。手探りでやってるので正しいのかはわからないけど。ようやくwindowsで開発していたものを両方で動かすための環境が整った。
VisualStudioは毎度こういうので疲れる・・・\(^o^)/